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石井桃子のことば

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もういつかわからないくらいずっとカバンに入れて持ち歩いている大好きな石井桃子さんを特集した本。亡くなる101歳まで翻訳や執筆を続けていた桃子さん。戦争を経験して、ほんとうに決して平坦な道じゃないけれど大好きな絵本や児童書を日本のこどもたちに紹介してくれて創作し続けた桃子さん。こどものときも大人になっても“石井桃子″の翻訳の本ならまよわず選ぶ。桃子さんの選ぶことばの安心感。ユーモア。くまのプーさんやうさこちゃんやピーター・ラビットを日本のこどもたちの友だちにしてくれた人。ドリトル先生『アフリカ行き』の翻訳を井伏鱒二に依頼した編集者でもある。名だたる小説家や画家やデザイナーや同僚に絶大の信頼を得ていた名編集者。自宅を開放して、こどもたちに本を思いっきり楽しんでほしくて“かつら文庫″を作る。それが現在の『東京子ども図書館』に結びつく。晩年は日本に伝わる昔ばなしの大切さをうったえて語りや研究も始めたそう。亡くなるときの心残りは昔ばなしをもっと深く勉強したかったらしい。38歳から仲間と宮城県に移住して5年間農業をしていたときもある。販売していた牛乳の名前は代表作の名前が入ったノンちゃん牛乳。生涯独身の桃子さんはやるべきことがたくさんあった。自分がこどもだったときの気持ちを大切にして、こどもたちのしあわせを願い、日々の暮らしを楽しみ、素晴らしい仲間たちが家族と同じ存在でそばにいてくれた。ひとりの時間も存分に味わいながら。本を開くたび桃子さんのことばにうなずき力をもらう。

by minako-info | 2016-03-29 12:04 | from mina